薄毛・AGAはなぜ起こるのか?

ヘアサイクル

頭髪は一般的に10〜15万本あると言われています。そのうち、元気に成長し続けているのは85%、残りの髪の毛は活動を一時的にストップさせている休止期と呼ばれる期間に入った髪の毛でいつ抜けてもおかしくない状態にあります。それぞれの髪の毛は成長期と休止期を繰り返しています。

 

薄毛の種類

びまん性脱毛症

広い範囲で薄毛になる症状で、休止期の髪の割合が増えて2割を超えている状態。特に、30代以降の女性に発症が多く、長く硬い髪の毛が抜けるのが特徴です。

 

円形脱毛

コイン型に円形に髪が抜ける症状で、原因が昔はストレスと言われていましたが、現在では自己免疫疾患と考えられています。局所的に脱毛が見られるケースと頭髪が全体的に抜けてしまう症例があります。

 

皮膚疾患による脱毛症

皮脂の分泌異常などにより脂漏性皮膚炎から粃糠性脱毛症になることがあります。

その他、ホルモン異常や薬剤・放射線の影響による脱毛など、色々ありますが、最も多くの人を悩ませているのが男性型脱毛症、いわゆるAGAです。

 

男性型脱毛症

日本人男性の3割で見られる薄毛症状で、薄毛の原因として最も多い症状です。額の生え際から後退するタイプと、頭頂部から薄くなるタイプ、その両方の特徴を併せ持ったタイプの3類型に別れます。特長としては、額の生え際や頭頂部の髪の毛が細く、短くなって軟毛化していき、症状が進むと髪の毛が抜け落ちていきます。ヘアサイクルの成長期が短くなって、髪の毛が十分に成長する前に抜けてしまうからです。抜けなかったとしても、長く太く育たないため、地肌が透けているような薄毛が進んでしまいます。

 

AGAの原因

遺伝的背景と男性ホルモンが関係しています。とは言え、男性ホルモンが関係するといっても男性ホルモンそのものが抜け毛を促進するわけではありません。

 

AGAと男性ホルモンとの関係

毛乳頭細胞の中にある5αリダクターゼと、頭皮の毛細血管にあるテストステロンという男性ホルモンが毛乳頭細胞付近で結びつくとDHTという物質が生成されます、

このDHTがアンドロゲンという男性ホルモンのレセプターとくっつくと、色々な遺伝子に影響を及ぼします。

例えば、TGFβ–1という髪の毛の成長を抑制する遺伝子や、FGF-5という脱毛信号を送る遺伝子が働き始めます。そのため薄毛が進行するのです。

 

AGAと遺伝的素養

父親が禿げているから禿げる、祖父が禿げていたら禿げるといったことはよく言われています。確かに家族に薄毛の人がいた場合に禿げるケースはあります。ということで、遺伝的な背景は重要なAGAの因子です。

ちょっと詳しく説明すると、実は先ほど説明したDHT自体は薄毛を引き起こす直接的な原因物質ではありません。テストステロンから5αリダクターゼによりDHTが作られること自体はAGAを引き起こすわけではありません。真の原因は、DHTが男性ホルモンのレセプターと結びつくことにあります。

人間にはこの「男性ホルモンレセプター」を持っている人と持っていない人がいます。持っている人だけが薄毛になるのです。これは遺伝で決まります。若くして薄毛に悩んでいる人、年を取ってもフサフサのあの俳優。違いは男性ホルモンレセプターの有無だったという訳です。

 

AGAの種類

AGAには禿げ方のパターンによりその進行度を分類する方法があります。ノーウッド・ハミルトン分類です。Ⅰ型から7型まで7段階でその薄毛の進行度を表し、数字が大きいほど進行度の高い薄毛に分類されます。

ただ、このノーウッド・ハミルトン分類は欧米人の禿げ方をベースに作ったものなので、日本人の禿げ方と少々違いがあります。そこで、皮膚科医の高島巌医師が、ノーウッド・ハミルトン分類を修正して独自の日本人向けのパターンを作り上げました。それが高島分類です。

ちなみにその違いは、頭頂部は毛を少々細かく分類した所。日本人の場合、欧米人と違って前頭部がそれほど進行していなくても頭頂部の禿げが進んでしまう人が多いので、その点を反映させたわけです。

 

参考資料

「薄毛革命「自毛主義」のすすめ」音田 正光著  /  幻冬舎