AGA治療はここまで来た! – 自毛植毛の原理

植毛には実は2種類あります。人口毛の植毛と自毛植毛です。もしかしたら、人口毛植毛の方が皆さんにはなじみがあるかもしれません。

みなさんが、「植毛」と聞いたときどのようなことを思い浮かべるでしょうか?もしかしたら決して良いイメージではないかもしれません。

違和感があってバレバレ、すぐに抜けてしまうなどなど。

実はこういったイメージは「人口毛植毛」のものです。

 

人口毛植毛とは?

人口毛植毛とは読んで字のごとく、人口の繊維でできたニセの毛髪を薄くなったヵ所に植えていく施術です。ただ、これはうまく行かないだけでなく、進退にも多大な負担を強いるため、アメリカではすでに禁止されている施術です。

そもそも、人間の体には異物を排除しようとする免疫反応があります。そのため、人口毛を植えても、早いもので2週間で抜けはじめ、1年も経つと6~7割は抜けてしまうと言われています。

さらに、頭皮が慢性的に雑菌に侵され、炎症を起こしてしまい、その他の元気だった毛まで抜けてしまうような事態が起こる危険性もあります。

人口毛植毛では、カンタンに抜けないよう実際の毛髪よりも深く差しますが、そのせいで、頭皮にキズがついてしまいます。また、自然な毛髪と違って、人口毛は生え変わったりしないので、毛穴が慢性的に汚い状態に置かれます。そのため、雑菌が繁殖しやすくなり、炎症が起こりやすくなっているのです。

こうした炎症が長引いて組織にダメージが加わると、化膿したり、繊維化するため、頭皮の血行が悪くなり、既存の毛が抜けてしまう事もあります。こうした症状が深刻化すると、異物性肉芽腫という硬い瘢痕のできる事もあります。

しかし、いまだに日本を含むアジアではこの人口毛植毛が行われているのが実態です。

 

自毛植毛とは?

人口毛植毛とは違って、自分の毛髪を移植するものです。自分の毛髪なので、拒絶反応もありませんから抜けません。また、一度植えた毛は抜けては生え、抜けては生え、を繰り返します。まさに自然の髪の毛なのです。

自毛植毛自体は、本格的に日本で実施され始めたのは2000年代に入ってからですが、世界的には1960年に入って急激に広まり始めました。元々は、パンチグラフとと言って、後頭部や側頭部の買いがフサフサしている箇所の皮膚を毛髪ごと円形に切り取り、それを薄くなった個所に移植する方法で、現在の手法も基本的にはこの方法の改良です。

 

自毛植毛のメカニズム

自毛植毛の一番のメリットは「ほぼ一生生え代わる」ところです。このメリットは2つの髪の性質を利用したものです。

第一に、後頭部や側頭部の髪の毛はAGAでは抜けない。サザエさんのお父さんがそうであるように、前頭部や頭頂部がツルツルでも、後頭部、特に「大後頭隆起」と呼ばれる後頭部の真ん中あたりの突起部分から下は毛が残っていることが多いです。

これは、前回説明したAGAの原因、遺伝的な理由で出てきたレセプターの話とつながります。AGAはDHTという男性ホルモンのテストステロンと5αリダクターゼと言う酵素が結合することで生まれた物質が、男性ホルモンレセプターとくっつくことで発症します。

このレセプターの有無が人によって違い、まさに遺伝的素養によるわけです。誰にとっても、このレセプターがない個所があります。それが後頭部、側頭部なのです。

そのため、自毛植毛も移植する毛穴は後頭部や側頭部から取るのです。

 

第二にドナードミナントという毛髪の性質です。

毛穴を移植すると聞いて、「薄い個所に植えたら抜けてしまうのではないか?」と思った人もいるのではないでしょうか。しかし、抜けません。移植した組織は元々の組織の性質を維持するという性質があります。これが「ドナードミナント」と呼ばれるものです。

そのため、同じようにDHTにさらされても、抜けたりせずに、ほぼ一生生え続けてくれるのです。

 

このように自毛植毛は、自分の髪の毛の移植であり、ほぼ一生生え続けるために、根本的な薄毛治療方法として世界中で広まっているのです。

 

参考資料

「薄毛革命「自毛主義」のすすめ」音田 正光著  /  幻冬舎